4つの期
細胞周期には4つの期がある。
- G1
- S(Synthesis)
- G2
- M(Mitosis)
※細胞が役割を専門化したりするとき(最終分化)は細胞周期から退きG0期に入る。ただし、分化しても再び分裂できるものもある。
チェックポイント
各期にはエラーあったら細胞周期をとめるチェックポイントがある。
それはチェックポイントタンパクにより制御されている。
チェックポイントタンパクp53
G1とG2のチェックポイントでは、DNAが損傷されていないか、DNAが完全に複製されているかを確かめる。これはp53という蛋白が担う。
p53がリン酸化され,安定化(活性化)されると、細胞周期がとまる。
R point
G1の途中にR point というチェックポイントがあり、これを超えると不可逆的にM期まで進む。
つまり、増殖抑制因子(TGF-β)や増殖因子に応答できるのはG1のうちで、R pointよりも前ということになる。
サイクリンとCDK
また、各期はサイクリンと、セリンスレオニンキナーゼ活性を持つ、サイクリン依存性キナーゼCDKが協調することによって細胞周期が進行していく。
サイクリンとCDKが複合体を作ることで、キナーゼ活性を発揮する。
それぞれのサイクリンは特定の周期に発現誘導され,特定のCDKと結合して機能する。
役目を終えたサイクリンはユビキチン化され、プロテアソームで分解される。CDKは再利用。多分。
pRbとR point
pRbはG1期からS期に移るRpoint において重要な役割を持つタンパク質である。
pRbは低リン酸化状態では転写因子であるE2Fと結合し,その転写活性を抑制している。
しかし、過リン酸化状態になるとE2Fから解離してE2Fは標的遺伝子の転写を行うことができる。
さらに、E2FによりサイクリンE/CDK2が活性化し,さらにそれによって、pRbのリン酸化が促進されるという正のフィードバックループが起こる。
これによってR point通過後の不可逆的な進行が説明される。