シナプス伝達まとめ

シナプス後電位

シナプスとは、ニューロンの終末と、その次のニューロンの樹状突起(先端)の間隙のことを言う。

超簡単にまとめると、シナプス伝達とは、シナプス間での神経伝達物質の授受によるシナプス後電位(シナプス後細胞での電位発生)の発生である。

Na⁺チャネルが開くことによる活動電位とはまた違うので注意。

シナプス後電位発生の主役は神経伝達物質

活動電位発生の主役はNa⁺チャネルである。

興奮(活動電位)が神経終末に達すると、まず電位依存性Ca²⁺チャネルが開く。シナプス伝達ではこのCa²⁺が主役となる。

するとシナプス前細胞にCa²⁺が流入する。

Ca²⁺がの作用bにより、シナプス小胞がシナプス前膜に集合する。

するとその小胞から神経伝達物質が放出される。

その神経伝達物質はどうなるかと言うと,シナプスを渡ってシナプス硬膜の神経伝達物質依存性イオンチャネルに結合する。

これによりそのチャンネルが開き、そこから何らかのイオンが流入する。

このイオンの流入により、なんらかの電位変化が起きる。

そしてこの電位変化により、電位依存性Na⁺チャネルが開き、ここでついに活動電位が発生する。

EPSPとIPSP

EPSPとは興奮性シナプス後電位、IPSPは抑制性シナプス後電位。

シナプス後電位とはシナプス後細胞での電位のこと。

【EPSPのイオン機序】

通常,膜電位は−70mVくらいに分極しているが,興奮性イオンチャネルの平行電位は0mVくらい。よって、イオンチャネルが開くと脱分極するのはなぜか。でも述べたように、イオンチャネルの平行電位に近づき、脱分極が起こる。

脱分極が起こると、電依存性Na⁺チャネルは活性化しやすくなる。よって活動電位が起きやすくなる。

【IPSPのイオン機序】

IPSPはこれの全く逆のことで、抑制性イオンチャネルの平行電位は−71mVと結構低い。だから、このイオンチャネルが開くとシナプス後電位は平行電位に近づく。

神経伝達物質がきたとき、もし静止膜電位>平行電位なら、抑制性シナプスは過分極応答を引き起こす。

結局、この2種類のイオンチャネルの差は平衡電位が根幹。

この平衡電位の差こそ、EPSPとIPSPを異たらしめる。

要するに両者ともシナプス後電位を自分の心地よい電位、つまり平衡電位に近づけようとしているだけ。