遺伝子変異の特徴
遺伝子変異とはそのまんまで、遺伝子が変わって機能の発現等に何らかの影響を及ぼすことである。
ただし、注意したいのはタンパク質をコードする部分ではない部分に変異が発生した場合でも異常が起きることがあることである。
通常,遺伝子変異はあるタンパク質の発現機能を失う喪失型が多い。
また、遺伝子変異は通常劣勢遺伝である!すなわちmt/mtじゃないと発現しない。
機能喪失型変異
このグラフではmt/mtの場合のみ機能発現の閾値を下回っている。このように劣性遺伝の喪失型変異を機能喪失型変異、またはヌル変異などと言ったりする。
機能低下型変異
mt2/mt2を見てほしい。この組み合わせでは機能発現こそしているものの、タンパク質量が低い。よって機能は低下する。このように、劣性遺伝で機能低下型の変異を機能低下型変異という。
ハプロ不全
前の二つは遺伝子変異の中でもメジャーなものだったが、ここからは少しマイナーでレアなものを紹介していく。
以下の図を見てほしい。
wt/mt1の組み合わせに注目!!
なんとwtとmtのヘテロなのに、機能発現の閾値に足りてない。普通は片方の染色体がmtになってもwtの方がそれを賄えるようになっている。ちょうどwt/mt2のように。
しかし、ヘテロの場合でも発現量が満たずに喪失してしまう変異がある。
これをハプロ不全という。
そして、大事なのはwtとmtのヘテロでも機能喪失が発現するということ!!
つまり…この変異は優勢的に遺伝する!!
ドミナントネガティブ対立遺伝子
この図はハプロ不全とそう変わりはないが、mt遺伝子がなんとwt遺伝子の機能を阻害するという点でことなる。
上三つはmtによる機能の単なる喪失だった。
しかし、mtがwtの機能を阻害する非常に稀なケースも存在する。
このようなmt遺伝子をドミナントネガティブ対立遺伝子という。
そして、この変異は優勢的に遺伝する。