糖質(炭水化物)の構造

糖質とは、なんだか環構造でごちゃごちゃしている感じで複雑なように見えるが、正体は高級多価アルコールのアルデヒド、またはケトン型の事をいう。つまり、アルコールでOH基がたくさんついており、炭素数は3~6などのアルデヒド、またはケトンである。(魚の骨みたいな構造式)

アルデヒド型の糖をアルドース、ケトン型の糖をケトースという。

環構造の作り方

糖は鎖構造以外にも、環構造で存在している。

カルボニル基がOH基と反応する(OH基のHが分離する)ことで、この構造ができる。

そこで、混乱の種が、環構造の上下である。グルコースの例で言えば、CH2OHは環構造で下側なのか、上側なのかといった話である。

それを理解するために、フィッシャー投影式(左右方向が紙面より手前に突き出している、上下方向が紙面より奥に突き出している、というように見る)分子の回転性を意識する。

構造式を立体的に見る!!

構造式では見えにくいが、下図のように3分子を回転させることで、どっちが環構造の上に来るのかを理解できる。

参考:鏡像異性体とジアステレオマー

また、六員環構造をピラノース、五員環構造をフラノースをと言ったりする。

アロースを標準として、下側にOHがあるものをαという。逆はβ

グルコースの環状構造、フルクトースの環状構造の作り方

アルドース

結局、これらの糖のバリエーションは立体異性体のバリエーションである。

HとOHが入れ替わることで、色んな種類の糖が生まれる。これらの関係をepimerという。

五炭糖(ペントース)

五炭糖の代表はリボースである。これはRNAの構成成分である。

HとOHの向きが揃っていてきれいな形をしている。

六員環、五員環の形を取る。

六炭糖(ヘキトース)

結局、みんなアロースの兄弟(立体異性体)である。アロースは向きが揃っていてきれい。

アロースの二位が入れかわったらグルコース、さらに一位が入れ替わったらマンノース。一位ではなく四位が入れ替わったらガラクトースになる。

二糖類

糖は脱水縮合によりエーテル結合-O-を形成する。糖類ではこれをグリコシド結合という。

マルトース(麦芽糖)

αグルコースC1,4でグリコシド結合をしているもの。

ラクトース(乳糖)

βガラクトースC1αグルコースC4でグリコシド結合しているもの。

スクロース(ショ糖)

αグルコースC1βフルクトースC2でグリコシド結合をしているもの。

多糖類

アミロース

αグルコース1,4位で直鎖状につながったもの。

アミロペクチン

αグルコースの6位1位がつながり、分岐が生まれたもの。

上述のアミロースと合わせてでんぷんという。

グリコーゲン

グルコース10~14個分くらいで、アミロペクチンよりも鎖が短く枝分かれが多い。

セルロース

βグルコースC1,4で直鎖状につながったもの。