疫学総論:割合と率、有病率と罹患率

疾患の発生頻度を表す指標には割合・率・比がある。

割合と有病率

割合は分母と分子は同じもの。

つまり、3人中2人が病気だったらその割合はは2/3となる。

単位はない。

具体的な例が有病率。

有病率とはある一定時点における罹患者の割合のこと。

つまり、その時点で100人のうち10人が罹患していれば、有病率は10%ととなる。

率と罹患率

率は特定期間に集団内で疾病が発生する頻度のこと。

分子は人だが、分母は観察した人と、各人を観察した期間の積で表される。

単位は人年とか人月。

具体的には罹患率がある。

罹患率は有病率とは違い、ある時点での罹患者の割合ではなく、10年間とか、特定の期間内で病気が発生した頻度を表すことができる。

詳しくは次の記事を参照。

有病率と罹患率の違いと使い分ける意味

有病率が10%であるというデータがあったとしよう。

この時、

疾病の発生割合が、10年間で10%と言われるのと、1年間で10%と言われるのとでは、

同じ10%でも全く意味が違っているのがわかる。

前者に比べて後者の方がやばそうに聞こえるだろう。

よって、割合で比較するのではなく、期間を考慮したデータで観察する方が適している場合もある。