リン脂質におけるシグナル伝達

タンパク質だけではなく、細胞膜を構成しているリン脂質によっても細胞内シグナル伝達は起こる。

どちらもPIP2(PIの4,5位がリン酸化されたもの)までは共通。

リン脂質のうち、ホスファチジルイノシトール(PI)という成分が今回の主役である。

PI自体は伝達物質としての活性を持たない。が、PIは水酸化基をたくさん持っているので,容易にPIP2とかPIP3になりうる。

基本、シグナル伝達を受ける前からPIはPIP2になっているので、大体ここから経路が始まる。

1.ホスホリパーゼC(PLC)によるシグナル伝達(下の図ではorの下側のルート)

この経路はGq/11受容体の活性化から起始することが多い。

そのときはGαユニットが活性化し、PLCを活性化することでPIP2がDAGとIP3に分かれる。

参考

前半

  1. PI4,5位がリン酸化されてPIP2になる。(ここはまだGPCRは関係ない)
  2. PLC(phospho-lipase-C)PIP2を活性化
  3. PIP2DAGIP3に分かれる。

後半

  1. 細胞膜を離れ、小胞体膜のIP3RIP3が結合
  2. IP3RはCa²⁺チャネル
  3. Ca²⁺放出
  4. PKC(プロテインキナーゼC)が活性化
  5. DAGPKCの細胞膜への牽引と活性化

2.PI3キナーゼによるシグナル伝達

参照↓

Rasの下流シグナル伝達