スクワットによるSBP上昇とDBP下降の機序

SBPは収縮期の血圧なので,おもに関与するのは心拍出量や心臓の収縮力である。

DBPは拡張期の血圧なので,関与するのは血管抵抗である。

スクワットをするとまずO2の消費量が増加する。これを舌咽神経の頸動脈小体が感知する。

これが呼吸循環中枢に伝わり、交感神経が刺激される。

交感神経により、心臓の洞房結節にあるβ2受容体結合することで,心筋収縮力と心拍数が上昇する。

これにより収縮期血圧SBPは上昇する。

また、交感神経は内臓と運動に関与していない骨格筋に対してはα1受容体を介して血管平滑筋を収縮させる。

一方、関与している筋肉に関してはβ2受容体を介して血管平滑筋を弛緩させる。

しかし、後者の効果の方が大きいので,総末梢血管抵抗は減少するので,DBPは低下する。

筋ポンプの働きもある。

筋ポンプとは、下肢の筋肉の収縮によりポンプ様に働き、静脈間流量が増加することである。

拡張期終期容積が大きくなるので心収縮力は大きくなる。よってSBPは上昇する。