オッズ比とリスク比

危険度・リスク比

コホート研究において、曝露群と被曝露群にわけ、追跡調査を行った結果,以下のような結果が得られたとする。

危険度とは全体のうち発症した者の割合のこと。

つまり、曝露群の危険度は0.9で、非曝露群の危険度は0.3である。

 

リスク比とは、曝露群と非曝露群における危険度の比のことである。

つまり、比の比である。

よってリスク比は0.9/0.3=3である。

この指標の解釈としては、曝露することによって3倍危険度が高いということになる。

オッズ比

オッズとは何か。

今回で言うと、曝露群、非曝露群における疾病有無の比である。

つまり、曝露群における疾病オッズは9、非曝露群における疾病オッズは3/7。

もっと簡単な例で言うと、サイコロを振って1がでるオッズは1/5=0.2である。

とまぁ、全体の数は関係ないというのがオッズの特徴である。

オッズ比

オッズ比はオッズとオッズの比。

つまり、曝露群におけるオッズと非曝露群におけるオッズの比を疾病のオッズ比という。

今回は9÷3/7=21となる。

オッズ比の使い道と解釈

なんか色々出てきたけど、結局リスク比だけわかればええやん。

と思うかもしれないが、そうはいかない。

症例対照研究ではリスク比の計算ができないからである。

リスクとは、群全体のうち、どのくらいの人が発症したかの割合である。

つまり、症例対照研究では、疾病群に対し、適当に後から対照群をつれてきただけなので、リスクは計算できない!!

つまり、

症例群10人に対し、対照群を9990人連れてきて、危険度は10/10000です。

とすることはできない!!!!自明。

また、同様に、暴露における疾病オッズとかも計算できない。

計算できないというか意味を持たないと言う感じかな。

 

一方、コホート研究では先に暴露群と非曝露群にわけているのでリスク比の計算は可能。

 

さて、では症例対照研究の時はどのような指標が役立つのか。

それは、症例群と対照群における曝露オッズである。

曝露オッズと疾病オッズは全然違うことに注意。

つまり、症例群のうち、どのくらいが曝露していたかのオッズと、対称群におけるそれを計算すればいい。

そして、そのオッズ比をとれば、a/c÷b/d=ad/bcとなり、これは疾病オッズ比とたまたま一致する!!

よって,症例対照研究ではオッズ比を用いて評価するのである。

相対危険度≒オッズ比という考え方

これは疾病がまれであるときに適応される。

こういうわけで、オッズ比は結構使える。